pmnjのスポーツ日記

体験したスポーツの記録を書く日記です。

「終わった」が「落とせず」(湯河原・幕山013回目)

 早朝にふと思い立って、一人で岩場に行ってきました。
 今日は貝殻岩の「パイプライン」だけに絞り、午前中いっぱい連撃しました。前シーズンから取り組んでいるのにどうしても進めないところがあり、その部分を何とかしたかったからです。天気は上々で、しかも貝殻岩には他の誰もいない貸切状態。絶好のコンディションでした。

 前回ダメだった「ヒールフックからリップ下のカチを取りに行く」ムーブは、数トライしたところで安定しました。バラしだけでなくスタートからもやってみたところ、3回連続で成功。「このムーブは固まった!」と判断して次へ。
 問題は「リップ下のカチから、リップの上にあるカチを左手の飛ばしで取りに行く」ムーブでした。1回目、2回目……10回目、11回目……苦手なカチを勢いをつけて(デッドポイントで)取りに行くのが怖くて、距離は足りていても止められない状態が続きました。
 「これは、左手の飛ばしじゃなくて、右手の寄せを先にしてみたらどうだろうか」と思い、試すこと10回。わずか2回ではありましたが、寄せの方は成功しました。

 右手の寄せ、3回目が成功してリップにぶら下がっているとき、頭の中で悪魔の囁きが。「このまま上がれるんじゃないだろか」。ヒールフックした右足が滑り落ちないようにしながら慎重に向きを変え、右膝でリップを捉えます(ほとんど曲芸に近いムーブですな)。さらに右足太腿もベッタリ壁面につけて、そのフリクションで(滑らないクライミングパンツで良かった)身体を安定させました。さらに右の上腕から前腕と、胸の辺りも壁面にこすりつけて(乳首が痛かった:笑)、リップ下のカチを持っていた左手を離せるようにします。その左手をリップに移動し、強引に「這い上がって」核心部分を越えました。
 その後はゼィハァ・ヒィヒィ言いながらリップに立ち上がって、一休み。呼吸が整ったところでスラブを登り切ってトップアウトです。

 そんなわけで、攀じ登り、しがみつき、這いずってパイプラインを“終える”ことはできました。一応、スタートからトップアウトまでは行ったことにはなります。登り終わって着ていた長袖Tシャツやクライミングパンツを見たら、あちこちに穴が空いてました。


 貝殻岩の頂上から見た景色はキレイでしたが、感動はありませんでした。やっぱり、きちんと“落として”いないからだと思います。ほんの少しの達成感と、大きな敗北感がありました。自分の登りに納得が行かないので、この課題は完登できたことにしたくはありません。まだまだ継続課題として取り組んでいきます。いつか落としてやる、と思いつつ、帰路につきました。