pmnjのスポーツ日記

体験したスポーツの記録を書く日記です。

初めてのコンペ(B-Rocky 2015@東京・品川ロッキー)

ながーい前置き

 ジムの人工壁、自然の岩場で、それぞれボルダリングを楽しんできました。3ヶ月くらい前から、皆さんが楽しんでいるという『コンペ(=競技会)』なるものに出てみたいなぁ、と思い始めました。Aジムで知り合った“兄貴”が「来年(=2015年のこと)にはコンペに出るぜ!」と言っているのを聞いたのがきっかけでした。“兄貴”が出るのは『THE NORTH FACE CUP(TNFC)』という日本最大級の競技会。興味を持っていろいろ調べてみたら、TNFCは日本全国のジムで何度かにわけて予選会を行い、それぞれのカテゴリーで上位に入った人が2015年3月の本戦に出場するとか。ふむふむ。さらに調べてみたら、2014年度の大会(TNFC 2015)、まだ予選会の予定があるようです。1月の予選会に出たという方から話を聞いて、一気にモチベーションがアップ。幸いにも大会の出場枠が追加されたので、エントリーしてみることに。このあたり、電光セッカチ/猪突猛進な性格が出ているなぁ(笑)。
 勢いでTNFC 2015にエントリーはしたものの、何の準備もしないで出るのは不安でした。ジム単位で行われるような小規模のコンペに出てみて、雰囲気に慣れておくことが大切かと思いました。さっそく、ネットで調査開始。すると、東京・品川にあるボルダリングジム『品川ロッキー』でコンペがあるということがわかりました。『B-Rocky 2015』です。自宅からは2時間以上かかる場所ですが、思い切って申し込んでみることにしました。人生で初めてのコンペです。

本編・その1

 『B-Rocky 2015』は、オンサイト・ベルトコンベア式のコンペです。オンサイトというのは、競技開始まで課題を下見することができない、という意味。ベルトコンベアというのは、競技順にしたがって一人ずつ順番に課題に挑戦していく、という意味です。TNFCのセッション方式と違い、課題の前で順番待ちをすることはありません。1課題あたり4分間という制限時間の中で、一人で課題に向き合って行くことになります。セッション方式の内容を聞いたときに思った「初めてのコンペだから気後れして課題に取り付けないんじゃないか」「他の人の登りを見ることで影響されてしまうんじゃないか」という心配は、ベルトコンベア式だと無用です。目の前の課題に集中すればいいのですから。
 当日は、競技時間の30分前までに受付を行うように決められています。私の順番はそれほど早くなかったので多少遅めに自宅を出ても大丈夫だったのですが、会場の雰囲気に慣れておきたいのもあって全体の受付開始時間前に到着するようにしました。岩場に行くときと変わらない起床時間だったのは、ちょっと辛かったかな。
 余裕を持って到着できたこともあり、更衣室もロッカーも空いていました。ラッキー! また、ウォームアップ用のエリアもガラガラで、十分に体を温めることもできました。ただ、90分ほどの準備時間は意外に短くて、あっという間に自分の競技時間になりました。30分前に受付だったら、気がせいて緊張していたでしょうね、きっと。

本編・その2

 今回は「ミドル男子」のカテゴリーで出場しました。課題は4つ、それぞれ4分間の制限時間内で挑戦します。制限時間内なら何度挑戦してもいいのですが、挑戦するごとにその結果が記録されていきます。落ちたら「-」、完登したら「T」、課題の途中にあるボーナスホールドを保持できたら「B」が、審判の方によって記録用紙に書かれていきます。最高なのは1回目の挑戦で完登することです。

1課題目・球体壁:7トライするも敗退

 「ともかく、ボーナスホールドを保持して落ち着こう」と思って挑戦開始。オブザベもそこそこに始めてしまいました。ざっと見た感じでは、難しそうなムーブがなかったからです。これが大失敗。ボーナスホールドの手前にあった2つ並んでいるホールドを、まず左手側で保持。ヨシッ。続いて右手も……ガツッ、ズルッ、バタン。ホールドに手をぶつけて落ちました。ヘンな手の送り方をしたせいでしょうか、自分の中でいちばん大切にしている右手中指を強打してしまい、手がジンジンしびれました。うわっ、やっちまった。もうその後は、頭の中が真っ白。取りに行く前に右足でトゥフックを決めれば簡単なのに、力任せで全7トライ。当然、落ちますよね。
 初のコンペ、初の課題。自分では緊張していないつもりだったけど、ホントはかなり緊張していたんですね。後からよくわかるダメっぷりでした。

2課題目・バルジ壁:6トライもボーナスのみ

 1課題目の敗退で、たくさんのダメージを受けました。強打した右手中指の痛み、7アテンプトもしたことによる前腕のパンプに加え、「やっぱりダメか」という心のダメージも。ただ、逆に開き直りの気持ちも出てきました。これ以上ひどくなることはないんだから、やれるだけやってみよう、という。
 幸い、2課題目は私の大好きなスローパーが多い構成でした。バルジ壁の凹角部分にいくつかハリボテが取り付けられていて、そこに薄いスローパーチックなホールドがついています。1課題目の反省からオブザベとブラッシングもしっかりして、少し余裕を持って挑戦できました。もちろん、落ち着いたからといっても程度問題。何トライ目かにボーナスホールドは保持できたものの、そこから先には出られないまま6トライ(!)で敗退。パンプはさらにひどくなりました。

3課題目・120度壁:7トライするも敗退

 1つでもボーナスが取れたことで、ボウズは避けられました。これでちょっとは落ち着いたようで、オブザベをじっくりすることができました。見た感じ、どこにも自分にとって難しいムーブはなさそうな課題です。順番に手と足を出していけばOKのはず。これは完登できるかもしれない、いや、完登せねばなるまい。そう思ってスタートホールドを両手で持ちました。
 一手目が取れませんでした(苦笑)。デッドポイント気味に出て左手でホールドを取りに行くのですが、微妙に遠くて届きません。もうヨレてるのか!? と焦りました。焦りは無駄な緊張感を生み、それがさらに体を強張らせ、手がスムーズに伸びません。ジタバタしている間に制限時間終了。ありゃー!!
 後からよく考えると、一手目のホールドのどこに手を送るかで難易度が変わる課題でした。持ちやすそうに見えるところだと遠いけど、ちょっと手を返して持ちにくそうなところに送れば保持できる。ジムで練習しているときは気づくことに気がつかなかったのが悔しいです。


4課題目・ルーフ壁:5トライするも敗退

 いいところがまったくないまま、最終課題へ。最後まで全力を出そう、と自分を励ましてはみましたが、オブザベで心が折れました。持ちにくいスタートホールドから、ランジで次のホールドを取りに行く。次に切れた足を何とかスタートホールドに戻してマッチ…できません(涙)。強傾斜壁でのデッドポイントはさんざん練習してきたのに、その前の課題でもできなかった。ましてやルーフで…。何とか気力を振り絞って3トライはしましたが、最後はパンプと右手中指の痛みでスタートポジションにもつけない状態に。この課題は完敗でした。


本編・その3

 あっという間に16分が過ぎ、私の競技は終了しました。0完登1ボーナス。参加選手の中で、ほぼ最下位という結果でした。
 終了後は他の皆さんの競技を見学。2課題目と3課題目はオンサイトで完登する人が多く、自分の実力のなさを痛感しました。4課題目は誰にとっても難しかったようで、完登者は3人。Aジムで知り合った方が登り切ったときには、自分のことのように嬉しかったです。
 他のカテゴリーも含め、予選がすべて終了まで強者の登りを観察。体の使い方だけでなく、課題への挑戦の仕方が、本当に勉強になりました。コンペって、ああいう風に取り組まないと戦いの舞台に上がることができないんですね。割り切り、捨て方、集中力。少しでも近づけるように精進したいです。
 仕事の都合もあり、少し早めの撤収。決勝や表彰式まで見ることはできませんでした。知っている方が何人も表彰されていたようです。すごいなぁ。

強がりも言ってみる

 初コンペ、悔しかったです。でも、得られたものも大きかったように思います。自分に足りない部分は何なのか、コンペ直前をどのように過ごせばいいのか、当日はどのように取り組めばいいのか、etc., 次のTNFC 2015では、今日得たものを出せるようにしたいと思っています。
 しっかし。ボウリングの初試合、初めてのバイクレース、初コンペ。全部、同じような結果に終わるところに、私という人間の進歩のなさを感じます。緊張してしまって大失敗やらかすっていうところが(笑)。一投目ファール、一周目の1コーナーで転倒、最初の課題でケガ+パンプ。まぁ、これよりは下がりようがないところからのスタートなので、それはそれでいいのかな。